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444号(9月号) Consumer’s Eye(2013.6.1~2013.7.31)

認知症の高齢者462万人

65歳以上の高齢者のうち、15%の人が認知症と推計されることが厚生労働省研究班の調査でわかった。2012年時点で約462万人に上る。認知症になる可能性のある軽度認知障害(MCI)の高齢者は約400万人と推計されるとのこと。6月1日発表。

偽装質屋の貸し付けに注意

質屋を装って高齢者らに高金利で金を貸し付ける「偽装質屋」に関する相談が消費生活センターに相次いでいるとして、国民生活センターが6月3日注意を呼びかけた。「質草は何でもよい」などと言い、担保価値のないものを形の上で担保に取り、返済を年金口座から自動引き落としにする手口が多いという。実態は年金を担保にした高金利のヤミ金。一時的に借り入れても年金などから利息や元本を支払うことになるため生活費に困り、借り入れを繰り返さざるを得なくなる。同センターは絶対に借り入れをしない、生活資金の借り入れや多重債務で困ったら、自治体の窓口や消費生活センターに相談するようようアドバイスしている。

出生率1.41

厚生労働省が6月5日に発表した2012年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推定される子どもの数)は1.41。2年ぶりの上昇。1.4台の回復は1996年以来、16年ぶり。30歳代の出生率が伸びたためとみられる。出生数は過去最少の103万7101人。

還付金詐欺、大阪で最悪

大阪府警は6月7日、医療費の払い戻しがうけられると嘘を言い、高齢者らに現金自動預払機(ATM)から逆に振り込み手続きをさせる「還付金詐欺」が大阪で増え続けていると発表した。今年の認知件数は5月末で205件、被害総額1億9200万円。被害者のおよそ9割が65歳以上、7割が女性という。過去最悪だった2008年の161件、被害総額1億6900万円を5月末時点で上回った。

風疹患者が激増

国立感染症研究所が6月11日発表した風疹患者数は累計9408人。昨年1年間2392人に比べ約4倍。患者の8割近くは男性で中心は20040歳代。厚生労働省は14日、風疹のワクチンが夏に不足する可能性があるとして、妊婦の周りの人や妊娠希望者らが優先して接種を受けられるよう自治体に通知した。

子宮頸がんの予防接種

厚生労働省の検討部会は6月14日、4月から定期予防接種の対象に加えた子宮頸がんワクチンの接種について、積極的に接種を呼びかけることを一時中止するとの意見をまとめた。接種後、体の複数部分に慢性的な痛みが生じる重い副作用が相次いで報告されたため。これを受け厚生労働省は対象者への接種呼びかけを中止するよう自治体に勧告した。

安愚楽牧場刑事事件へ発展

和牛オーナー制度を運営していた「安愚楽牧場」(栃木県那須塩原市:2011年8月経営破たん)が、事実と異なる説明で顧客を勧誘していたなどとして、警視庁は6月18日、元社長ら3人を特定商品預託法違反(不実の告知)容疑で逮捕した。安愚楽牧場は約7万3000人の顧客からの出資金を含む4200億円超の負債を抱えて経営破たん。消費者庁が破たん後に行った調査では2011年までの5年間に飼育していた牛が、出資金額から推定される頭数の7割弱だったことから景品表示法違反にあたることが判明していた。各地で被害弁護団が発足し、大阪や愛知など各府県警に告訴状が出されている。7月16日、東京都内で開かれた安愚楽牧場債権者集会で、破産管財人から和牛オーナーとなった顧客約7万3000人に対し、出資額の約5%が配当される見通しが伝えられたと被害弁護団が明らかにした。

食品表示法が成立

食品の表示は現在「食品衛生法」「日本農林規格(JAS)法」「健康増進法」の3法が規定しているが、食品の安全性や品質などをわかりやすく表示するため、基準を一元的に定める食品表示法が6月21日可決、成立した。現在任意となっている加工食品などの栄養成分表示を原則義務化し、違反行為の罰則が強化された。早ければ2015年春に施行される見通し。消費者庁は施行までにアレルギー物質や遺伝子組み換え食品などを含め、用語を整理して統一的な基準を定める。

消費者庁初の2013年版「消費者白書」

白書は悪質商法の標的にされがちな高齢者の現状を特集している。2012年の消費者トラブルに関する相談は約83万7000件で8年連続減少したが、65歳以上から寄せられた相談は約20万8000件と5年連続増加した。高齢者の相談の内訳はファンド型投資商品など「金融・保険サービス」に関するものが約4万件と最多。その他、健康食品を一方的に送り付け代金を請求する商法などが目立つ。1件当たりの平均契約・購入金額は約210万円で65歳未満の1.8倍と被害額も高額。

消費者事故調の初の評価書

暮らしにかかわる身近な事故の原因を調べる消費者安全調査委員会(消費者事故調)は6月21日、2009年4月に後ろ向きで下りエスカレーターの手すりに接触して体制を崩し、手すりのすぐ横に開いていた吹き抜けの空間から約9メートル下に男性が転落死した事故について事故調初の「評価書」を公表した。2012年、国土交通省の事故調査部会は「エスカレーターの構造や管理に問題はない」と結論づけていたが、消費者事故調は年齢、身体条件などが異なる一般利用者が危険を意識せず乗っている現状を踏まえ、「消費者の観点」から独自の調査が必要とした。今後①手すりへの接触予防策②手すりに接触した体が持ち上がった原因③エスカレーターから吹き抜けへの転落防止策の3点を検証し最終報告をまとめる。消費者事故調は現在、「シンドラーエレベータ」社製のエレベーターによる死亡事故など5件を調査中。

通販会社に措置命令

消費者庁は6月27日、「アクセルクリエィション」(東京都)に対し、景品表示法に違反する行為があったとして措置命令を出した。テレビショッピング番組などで宣伝販売した家庭用漬物器「浅漬け名人『菜漬器』(さいしき)」の表示で「遠赤外線を多く放出するタウマリン鉱石を練りこんだ陶器で乳酸菌が繁殖し、早く漬物ができる」などとうたっていたが、消費者庁が求めた発酵促進効果に関する裏付け資料に合理的根拠は認められなかった。

BSE全頭検査を一斉廃止

牛海綿状脳症(BSE)が国内で初めて確認された直後の2001年10月に導入された全頭検査。厚生労働省は6月28日、都道府県や政令都市など全75自治体が6月末で一斉に廃止することを決めたことを明らかにした。7月1日以降は月齢48カ月超に限って検査が実施される。

化粧品で「白斑」被害

化粧品大手「カネボウ化粧品」(東京)は7月4日、美白効果をうたった「カネボウブランシールスペリア」など8ブランドの54製品で額や目の周り、頬などがまだらに白くなる被害が出ているとして自主回収することを発表した。消費者庁も同日、対象製品の使用中止を呼びかけた。原因はカネボウが自社開発した美白成分「ロドデノール」の作用とみられる。メラニンの生成を抑え、シミ、そばかすを防ぐ効果があるとされており、配合されている製品は2008年に医薬部外品として厚生労働省の承認を受けていた。対象商品の累計出荷数は約436万個。現在約25万人が使用し、約45万個が家庭にあるとみられる。消費者庁は23日、同社に症状を訴えた人が19日時点で6808人、うち「3カ所以上の白斑」「大きさ5センチ以上」の重い症状を訴えた人は2250人に上ることを発表した。今年5月に皮膚科医から被害情報が寄せられ、同社がさかのぼって調べたところ2011年以降、同様の症状が39件あったことが判明し、自主回収を決めたという。阿南久消費者庁長官は24日の記者会見で、もっと早く公表すべきだったとカネボウ側の対応の遅れを批判した。

● 問い合わせ相談窓口  0120・137・411

格安航空に関する苦情が急増

国民生活センターは7月4日、LCC(Low Cost Carrier)などの格安航空の便数の拡大・増大で全国の消費生活センターに様々な相談が寄せられていることを公表した。ウェブサイトでの最終確認画面がなく予約条件全般の確認ができない、広告表示の運賃以外に決済費用や予約手数料などの費用が発生するが具体的に示されていないことが多い11などが問題点。同センターはウェブサイトにおける表示や動作について整えること、運送約款は消費者が容易に理解できるよう整えること、消費者窓口などの体制整備を進めることなどを事業者に要望。消費者には従来の航空会社との違いを確認するようアドバイスしている。

投資詐欺容疑で34人を逮捕

高齢者らに実態のない会社への投資を持ちかけ現金をだまし取ったとして、警視庁と25都道府県警の合同捜査本部は7月10日、6都道府県に住む詐欺グループの男女34人を逮捕した。被害は2011年6月以降、全国で少なくとも約1100件、総額約25億円に上るとみられ、同種の詐欺事件としては過去最大規模という。「合同会社七福神会社」「エスメディアインターナショナル株式会社」「合同会社おはよえーす」の社名でパンフレットを送り付け「パンフレットが届いた人だけが出資できる、代わりに投資してくれれば謝礼を払う」などと投資の勧誘をしていたが、いずれも実態のない会社だった。

消費生活に関する意識調査

消費者庁が日ごろの消費生活での意識や行動、消費者事故、トラブルの経験などを尋ねた「消費者意識基本調査」結果を7月10日公表した。過去1年間に頼んでいない(心当たりがない)のに、商品やサービスの勧誘のため訪問を受けた人は30.8%、電話勧誘を受けた人は58.5%。うち訪問で41.8%、電話で44.3%が断っているのに勧誘を続けられたり、嘘の説明など特定商取引法が禁じる不当勧誘を受けたと答えた。消費者教育・啓発の受講経験があると答えた人は8.7%だった。

ウナギ13万匹を産地偽装

中国産などのウナギ約13万5000匹をかば焼きにし、愛知県産と偽って販売したとして、和歌山市は7月12日、水産物加工販売会社「和歌山淡水」(和歌山市)に対し日本農林規格(JAS)法に基づく改善指示を出した。近畿農政局は同日、偽装を知りながら和歌山淡水からかば焼きを仕入れ昨年5月0今年6月に販売したとして、関連会社「天将」(和歌山市)に改善指示を出した。「近鉄百貨店」、スーパー「オークワ」が加工品を販売していた可能性があるとして、レシートなどで購入を確認できた場合、返金すると発表した。

温泉権で配当得られると集金

警視庁と鹿児島県警の合同捜査本部は7月17日、出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで健康食品販売会社「健康医学社」(東京都、破産)の元社長ら3人を逮捕した。同社は1998年以降、1口100万円で鉱泉や温泉利用権への出資を募っていたが、2010年ごろから配当金の未払いや元金の返還に応じなくなり、出資者らが損害賠償を求めて提訴している。全国45都道府県の高齢者ら約650人から約80億円を集めたとみられる。

血圧降下剤の臨床研究でデータ操作

スイス製薬大手の日本法人「ノバルティスファーマ」(東京都)が2000年11月から国内で発売した高血圧症の治療薬バルサルタン(商品名・ディオバン)。2002~2004年に東京慈恵会医大や京都府立医大など5大学で臨床試験が開始され、血圧を下げる以外に脳卒中や狭心症などの予防に効果があると結論づけられた。ノバルティス社はこれらの論文を宣伝に利用してきたが、今年7月、京都府立医大の論文に人為的なデータ操作があったことが明らかになり、さらに東京慈恵会医大の臨床試験でもデータ操作が判明した。狭心症や脳卒中の予防に効果があるという科学的根拠が崩れた。国内のディオバンの売り上げは年間1000億円。論文どおりのメリットがなければ患者はもっと安価な降圧剤を選択することができたはずで個人負担の増加、公的には医療費の増大をもたらしたという。同社は7月29日、記者会見を開き元社員がデータ操作に関与した証拠は認められなかったという第三者機関による調査結果を発表したが、データ操作の不正を誰が指示したかは明らかになっていない。高血圧の治療は服用を中止すると血圧のコントロールができなくなる恐れがあるため、同社は患者自身の判断で服用を中止しないよう呼びかけた。同剤を服用している患者専用の問い合わせ窓口

● ディオバン問い合わせ窓口」  0120・187・298

くらしのことば

子宮頸がん予防ワクチン

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)が主な原因で、性交渉などで感染する。年間約9000人が発症し、約2700人が死亡。20~30代の若い患者が急増しているため、今年4月以降、小学6年から高校1年に当たる女子を対象として、原則無料の定期接種となった。接種を受けた推計328万人のうち重い副作用の症状が出たのは357人。43人が接種後、体に慢性的な痛みを訴えている。症状の表れた女子生徒の家族が速やかな接種中止を求めていた。今後、接種を受けるかどうかは、個人の判断にゆだねられることになる。

 

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