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462号(6月号)Consumer’s Eye(2015.3.31~2015.4.30)

民法改正案が閣議決定、約款・敷金の定義を明確化

約款や契約規定などを骨子とする「民法改正案」が3月31日、閣議決定された。国会での決議が通れば、2018年中の施行が実現する。民法の改正は約120年ぶり。
改正案では、保険契約やネット通販の売買契約で多発する問題に関してルールを明確化。消費者が一方的に不利になる約款条項の無効、欠陥商品に対する修繕費用・代金減額の請求を認めた。また賃貸契約では敷金の定義の明文化とともに、経年劣化による原状回復について、借主は費用を負担する義務がない。飲料費や弁護士報酬等業種ごとに異なっていた未払い金の時効を原則5年に統一、法定利率を5%から3%に引き下げたうえで、1%刻みの変動利率制を導入する??などが盛り込まれた。

消費者庁「機能」「保健」の表示乱用自粛を要請

インターネット上で「機能○○食品」「保健食品」などの紛らわしい表示で商品を販売していた25の食品製造販売業者に対し、消費者庁は3月31日、消費者が誤解する表示の乱用をやめるよう改善要求した。紛らわしい表示が見つかったのは、通販サイトで販売されているサプリメントなど31品目。健康増進法に抵触することから該当商品を販売している通販サイトの運営業者にも適正化を求めた。

衣類の洗濯表示記号が国際規格(ISO)に変更

洗濯の目安となる洗い方・干し方・洗濯機の強弱と水の温度・手洗いなどの表示が国際規格表示に統一されることが決まった。2016年12月スタートの予定。従来の表示は日本独自のもので、イラストにより22種類の見分けが可能。国際規格では41種類に増えると同時にイラストもシンプルになるが、消費者の戸惑いも予想される。3月31日、消費者庁公表。

子どもの誤飲事故、薬が最多に

家庭における乳幼児の誤飲事故が、2013年度病院モニター報告で計531件(前年度比146件増)にのぼった。事例では「薬剤の誤飲」が96件(前年度比39件増)で最多。過去35年間トップだった「タバコの誤飲」は94件。年齢別では生後6カ月から1歳半未満で277件と半数以上を占めている。3月31日、厚生労働省公表。

高齢者への安易な投薬に注意喚起

日本老齢医学会などは、副作用が強いため高齢者への使用の中止を考慮するべき薬約50種類をあげた一覧を作成した。投薬の在り方の改善を提案している。

加齢に伴う各種の症状緩和のため、複数の医療機関を並行して受診する人も多い。そのため服用薬の種類や容量も多くなり、飲み合わせによる異常や副作用により健康を損なう場合もある。また医療機関の間で投薬情報が共有されない場合も多く、高齢患者の服用実態が明らかではなかった。単独使用する薬の中にも認知症への向精神薬による脳障害、作用時間の長い睡眠薬による認知・運動機能低下、糖尿病治療薬での低血糖などの症例が報告されている。

患者が自己判断で服用を中止することは危険を伴うため、複合的対策がとりにくい。処方薬局では「お薬手帳」を配布、薬剤師が注意を促す例もあるが根本的な解決策になり得ていない。

車のリコール955万台 過去最悪

国土交通省は4月5日、2?01?4年度に届け出があった自動車のリコール件数が955万台(前年度比19.8%増)に達し、過去最高を記録したと公表した。米国で発覚した「タカタ社製エアバッグ」の欠陥によるものが主要因。他には軽自動車の欠陥・取り付け不具合などが目立った。

消費者相談・児童相談の電話番号3桁に

消費者相談、児童虐待などの通報を受ける児童相談の電話番号が警察、消防署、天気予報などと同じ3桁になる。7月から実施。総務省によると消費者相談は「1?88」、児童相談は「189」が割り当てられる。利用者が覚えやすく、間違い電話の減少にもつながると同時に、悪質商法対策や児童虐待に適切に対応する狙いもある。

新たな番号には固定電話、携帯電話から通信可能(有料)。現状と同様、最寄りの地方自治体や児童相談所につながり、相談を受け付ける。

市販薬で副作用死、異常訴えも増加

医師の処方箋が不要な市販薬を服用したところ、何らかの異常を訴えた例が2014年3月までの過去5年間で合計1225件にのぼったと、4月8日、消費者庁が発表した。総合感冒薬、解熱鎮痛消炎剤、漢方製剤、せき止めなどでの死亡例が15例。後遺症も15例あった。消費者庁は「初期症状の段階で医師や薬剤師に相談し重症化を防ぐべき」と注意を呼びかけている。

地名入り特産品にGIマーク導入

特定の地域で生産される農作物を国が審査・保証する「GIマーク」制度が6月から始まる。従来の地域ブランド商標登録に加え、国が該当生産物の品質を保証するかたちになる。

近年横行する農産物の偽ブランド抑制と、日本ブランドの価値を高め、輸出拡大につなげることを視野に入れている。主要輸出先20カ国には商標登録を出願。マークの偽装が発覚すれば、相手国に法的措置を取るよう外交ルートで働きかける。国内での偽装に対しては5年以下の懲役または500万円以下(法人は3億円以下)の罰金が科せられる。4月10日、農林水産省公表。

※GI=「Geographical Indication」の頭文字

景品表示法改正、不当表示基準で事業者困惑

昨年12月、表示などの管理体制の整備を義務付ける改正を行った景品表示法。2016年春までに課徴金制度が導入されることになっている。これを受け事業者側では、何が不当表示にあたるか判断しにくく、基準が明確でないと困惑する声が上がっている。課徴金制度は「優良誤認表示」「有利誤認表示」が主な対象。消費者庁は「消費者の目から見て」判断を下すため、許容範囲を明確にできず、画一的ガイドライン策定は困難。事業者は、消費者に十分な説明をできる根拠と対応が問われることになる。

特商法改正の方針で検討

老人ホームなどの「入居権」売買のトラブルが増加傾向にある中、消費者庁は特定商取引法(特商法)を改訂し、権利売買の規制を強化する方向で検討。早ければ来年の通常国会に法案を提出する予定。

現行の特商法は、主に物品、サービス取引全般を対象に不当勧誘への罰則やクーリング・オフ制度が中心。これを権利売買まで包括することで「入居権」や消費生活に関連する各種権利の適正な取引の確保に生かす考え。

ネット関連の事件・トラブル急増

金融機関やプロバイダーに不正にアクセスし、IDなどの個人情報を盗み取る犯罪が増加している。4月17日には国内にある中国向け中継サーバーにIDやパスワードなど約785万件の個人情報が保存されていることが分かった。うち約6万件分のIDとパスワードは、実際に通販サイトの不正アクセスに使用されていた。他にも大手銀行になりすましIDやパスワードを盗み取るフィッシングサイトが見つかるなどした。

社会保障費増大で高度医療費などを抑制へ

財政制度審議会は4月27日、2020年度の社会保障費を15年度より4兆円増の35兆円強に抑えるべきとする提言を公表した。急速に進む高齢社会で今後も社会保障費が増え続け、財源不足になる恐れがある。不足が見込まれる財源の捻出には、高齢化以外にも増加が予想される高度医療費の削減を図るよう求めた。具体的には、ジェネリック薬品の普及率を上げる、診察報酬や薬価のサービス単価の抑制、75歳以上の医療費の自己負担引き上げ、予防医療推進など。

厚生労働省も18年から国民健康保険業務を地方自治体に移管するとともに、地域格差の大きい介護保険料の是正、大企業の健康保険組合からの拠出金増額などを定めた医療保険法案設立を目指している。

くらしのことば

「機能性表示食品」制度

 本年4月からスタートした制度。機能性表示食品は「事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官に届け出られたもの。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の特別の許可を受けたものではない」と規定されている。機能性を表示するにあたって、当該商品の事業者基本情報、安全性・機能性に関する情報、品質管理の情報、健康被害に対する対応情報などを明記することを求めている。

届出は機能性・安全性を証明できる研究論文・人を対象とした実験データなどを偏重なく検討した情報が必要。第三者機関が研究・実験した情報の利用も可能。書類上の問題がなければ、最短60日以内に商品の発売が可能。また未成年者は販売対象外なので注意が必要。

 

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