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475号(10月号)Consumer’s Eye(2016.8.1~2016.8.31)

子育て世代 節約志向

日本経済の課題や進路を示す2016年度の年次経済財政報告(経済財政白書)が、8月2日、閣議に提出された。白書では、賃金や雇用の改善に比べて個人消費が弱いことが景気回復の足かせになっていると指摘。子育て世代は非正規社員の割合が高く、子育てによる多額の出費や社会保険料の負担など、将来に対する不安感から節約志向が顕著だと分析している。これらの不安を解消するためには、保育料や教育資金の負担を和らげるとともに、同一労働同一賃金の実現や働き方の多様化などを通じた労働環境の整備が重要としている。

消費者庁長官 岡村氏

河野太郎消費者行政担当相は8月2日、板東久美子消費者庁長官が退職し、後任に法務省の岡村和美人権擁護局長が就任すると発表した。発令は9日付。

食料自給率 横ばい39%

農林水産省は8月2日、2015年度の食料自給率(カロリーベース)が6年連続で39%になったと発表した。コメが不作だった1993年度の37%に次ぐ低水準。好天候で小麦の生産量は増えたものの、コメの消費落ち込みが影響したとみられる。カロリーベースの自給率はコメや小麦といった穀物の供給に左右されやすく、主食用米の自給率はほぼ100%だが、国内飼育の畜産用飼料は輸入品が多い。政府は25年度までに食料自給率45%を目標としている。

28兆円経済対策 家計、子育て支援に力

政府は8月2日、事業規模28.1兆円の経済対策を提示した。インフラ整備のほか、子育て支援など「1億総活躍社会」実現に向けた施策が柱で、消費税率10%への引き上げを2019年10月まで延期するのに対応した税制改正、雇用保険料の引き下げなどに使われる。

公取委 スマホ販売に指針

公正取引委員会は8月2日、大手携帯会社によるスマートフォン(スマホ)の販売方法について、独占禁止法違反の恐れがある事例を示し、是正を求める考えを明らかにした。総務省が今年4月、「実質ゼロ円」の見直しを求めるガイドラインの運用を始めたが、公取委は各社に、スマホの通信契約と端末販売の分離や、契約期間中の解約に高額な違約金を科す、いわゆる「2年縛り」の見直しを促すなど、総務省の指導より踏み込んだ改善を求めた。

「東京五輪チケット」詐欺注意

消費者庁は8月2日、「オリンピック財団」「日本スポーツ協会」などと称して消費者に電話し、消費者名義で多額の東京五輪のチケット申し込みがあるかのように偽り、個人情報の削除や、解決金などの名目で多額の現金をだまし取る被害が相次いでいるとして注意を呼びかけた。主に高齢者が狙われ、なかには約2千万円をだまし取られた被害者もいるという。東京五輪のチケット申し込みはまだ始まっておらず、「オリンピック財団」等は実体がないとみられる。同庁は、「不審な電話はすぐに切ってほしい」としている。

婚活サイト利用「デート商法」賠償提訴へ

婚活サイトの利用者を狙って出資や不動産の購入を持ちかける「デート商法」が後を絶たず、トラブルになるケースが相次いでいる。東京都の人材派遣会社の元女性社長らが、複数の婚活サイトで知り合った男性約30人に「将来の2人のために」「年24%の利息を特別に払う」などと社債購入を持ちかけ、総額3億円以上集めていた。利払いが止まり、社債の償還もできなくなった。悪質な「デート商法」にあたるとして、男性らのうち7人が8月3日、計約1億円の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こした。

特殊詐欺被害額2年連続減少

今年1~6月の全国の振り込め詐欺など特殊詐欺の被害額が、昨年同期より41億8000万円少ない198億4000万円で、2年連続で減少したことが8月4日、警察庁のまとめ(暫定値)で分かった。秋田など11道県で半分以下になったが、神奈川、愛知、大阪などの大都市圏で増加。大阪の被害額は約27億円で全国最多だった。大阪府警は特殊詐欺防止のため、手口などを電話で説明し注意を促すコールセンターを開設した。

社会保障給付費112兆円

国立社会保障・人口問題研究所は8月5日、2014年度の年金や医療、介護などの社会保障給付費が前年度比1.3%増の112兆1020億円だったと発表した。社会保障給付費は税と社会保険料などを財源にした費用の合計。内訳は、医療が2.0%増の36.3兆円、年金は0.5%減の54.3兆円、介護など「福祉その他」は4.6%増の21.4兆円だった。年金が前年度に比べ減ったのは、13年10月に過去の「もらいすぎ」の解消として支給額を下げたため。

アマゾンに公取委立ち入り

インターネット通販大手のアマゾンジャパン(東京)は、出品する業者に対し、他社の通販サイトよりも有利になるような条件付き取引を求めた疑いがあるとして、公正取引委員会は8月8日、独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで立ち入り検査を実施した。独禁法は事業者が取引業者に対し、不当な条件を付けて取引することを禁じている。アマゾンジャパンはライバル社が自社よりも安い値段で出品する際は、通知もしくは最低でもライバル社と同じ価格で出品する、などの条項を付けていたと公取委はみている。

ヤフー検索結果 全内容削除命令

プライバシー権の侵害を理由に検索結果の削除を命じられた仮処分決定に対し、検索サイト「ヤフー」が異議申し立てをしていた件で、東京地裁はヒットしたサイトの「タイトル」や「アドレス」を含めて結果の全内容を削除すべきだとの決定を出した。仮処分は、自分の名前を検索すると犯罪行為を連想させるページを表示されるとする男性が、検索結果の削除を求めて申し立てていた。これに対しヤフー側は、検索で表示されるページの「要約」などに限って削除すればよいと主張したが、地裁は認めなかった。

自転車2人乗り 足巻き込み注意

自転車の後ろの幼児座席あるいは直接荷台に座っていた同乗者の足が後車輪に巻き込まれてけがをする事故が発生しているとして、国民生活センターは8月18日、注意を呼びかけた。全国の医療機関から寄せられた事故情報は、過去5年間で172件あり、うち6歳未満の子どものけがは90件だった。同センターは、6歳未満の子どもを自転車の荷台に乗せる場合は必ず幼児用座席をつけ、後輪にも足の巻き込みを防ぐカバーを取り付けるよう注意を促した。

食品容器の規制強化へ検討会

厚生労働省は8月23日、弁当の容器やレトルト食品のパウチなど食品の包装・容器に使う原材料や添加剤に関する安全規制の強化について見直しを始め、同日、1回目の検討会を実施。使用を禁止する物質を定めた従来の「ネガティブリスト制度」から、国際的に主流である、使用できる物質を定める「ポジティブリスト制度」に転換することで国内外の食品の安全性を担保するのが狙い。今年度内をめどに具体的な見直しの方向性をまとめる。

はしご・脚立から転落注意

製品評価技術基盤機構(NITE)は8月25日、庭木のせん定や電球の交換など幅広く利用されるはしごや脚立の使用中に、転倒、転落する事故が相次ぎ、使用者が死亡するケースもあるとして、立て掛け角度を守り、上端の引っかかりを確保するなど事故防止のポイントを挙げ注意を呼びかけた。同機構によると、2011~15年度の5年間に、はしごで46件、脚立で162件の計208件の事故情報があり、うち98%が人的被害を伴い、死亡事故は2件、重傷事故は94件あった。

ワンセグ 受信料不要判決

埼玉県在住の男性が、テレビを視聴できるワンセグ機能付き携帯電話の所有を理由に受信料を請求されるのは不当だとして、NHKとの受信料契約の義務がないことの確認を求めた訴訟で、8月26日、さいたま地裁は契約義務がないと判断した。放送法では、NHKの放送を受信できる「受信設備」を設置した者は契約締結義務があると定めている。NHKはワンセグ機能付き携帯を「携帯」することも「設置」に含まれると主張したが、判決は放送法の別の条文で「設置」と「携帯」を区別していることから、NHKの主張に無理があるとした。NHKは控訴する方針。

くらしのことば

ネオニコチノイド系農薬

 ネオニコチノイド系は有機リン系農薬の代替として開発された殺虫剤。人や魚などへの毒性が比較的少なく、カメムシなどの防除効果が高いとされる。日本では1992年以降、クロチアニジンなど7種が登録され、水稲などに使われている。海外では、2000年代半ばからネオニコ系がハチの行動などに悪影響を及ぼすという研究成果の発表が続いている。13年には欧州委員会が、予防原則に基づいて3種のネオニコ系農薬の使用禁止を決定。米国、台湾、韓国なども暫定使用禁止などの規制を導入した。
 日本は、実質的な規制がないだけでなく、ネオニコ系農薬の新規登録や適用拡大などが進められていた。2016年7月に、農林水産省が国内で大量死したミツバチの死骸を分析したところ、半数以上から水田でまかれたネオニコ系農薬が検出された、とする調査結果が発表された。同省は農家に自主的な対応を求めている。

 

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