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476号(11月号)Consumer’s Eye(2016.9.1~2016.9.30)

「18歳成人」消費者被害防止へ啓発拡大

民法の成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正案に関連し、若年者の消費者被害拡大が懸念されていることから、消費者庁は被害防止の啓発事業を拡大する方針を決めた。「18歳成人」となった場合、親など法定代理人の同意なしにローンやクレジットカードなどの契約ができるようになり、悪質業者のターゲットにされる恐れがある。「18歳成人」の消費者被害の防止や救済のための対応策について、内閣府消費者委員会でワーキンググループを設置して議論し、年内にも結論を出す見通し。

フライパン強度 不当表示

フライパン「セラフィット」の強度を「くぎを炒めても傷つかない」と宣伝したのは、景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁は9月1日、通販会社「オークローンマーケティング」(名古屋市)に再発防止を求める措置命令を出した。同社は2014年5月~15年11月、テレビの通販番組などで大量のくぎを「セラフィット」で炒める映像を流しながら「(表面が)ダイヤモンドの次に固い、50万回こすっても傷まない」などと宣伝し、約127億円を売り上げた。同庁の調査では、製品はダイヤモンドの次に固いとはいえず、金属で約5000回こすると表面に傷がつき素地が露出したという。

燃費新測定法前倒し 再発防止へ罰則強化

三菱自動車の燃費データ不正問題を受け、国土交通省は9月2日、2018年10月に導入予定だった燃費データの新しい測定方法を前倒しして16年度中にも導入する方針を示した。新測定方法は、測定した数値すべてを書き込むことを求め、メーカーによって解釈が変わる曖昧な部分が減り、より厳正に燃費を計測できる。また、同省は16日、データを虚偽申請したメーカーの処分を厳格化する再発防止案を公表し、同日付で施行。明文化されていなかった虚偽申請を禁止、違反時には30万円以下の罰金のほか対象車の生産・販売を事実上停止させる措置などをとる。

全面移転 文化庁のみ

政府は9月2日、政府機関の地方移転に関する今後の方針を発表した。全面的な移転は文化庁のみで、消費者庁と総務省統計局については一部の機能移転となった。文化庁は、2017年度に「地域文化創生本部」(仮称)を京都に設置。総務省統計局は、和歌山県に「統計データ利活用センター」(仮称)を置き、データの提供業務を18年度から行う。消費者庁は徳島県に来夏、政策研究拠点「消費者行政新未来創造オフィス」(仮称)を立ち上げ、3年後をめどに移転の可否を判断するとした。

貸し切りバス 罰則強化

長野県軽井沢町で15人が死亡したスキーバス転落事故を受け、国土交通省は9月6日、貸し切りバス事業者に対する罰則を強化する方針を固めた。安全確保を怠った悪質な業者への罰金を現行の「100万円以下」から「1億円以下」へ引き上げ、違反に関わった経営者や個人にも「1年以下の懲役または150万円以下の罰金」を命じる。また、これまで無期限で有効だった事業許可を原則5年の更新制とし(無事故・無違反の優良事業者は7年)、既存業者の安全管理体制などをチェックする仕組みも導入する。26日召集の臨時国会に提出、年内に一部実施を目指す。

「要介護」更新 3年に延長

厚生労働省が9月7日に開いた社会保障審議会で、要介護認定の事務負担軽減策として、有効期間を最長2年から同3年に延ばすことで大筋合意した。同省は来年の通常国会に改正法案を提出、18年度に制度が変わる。2000年度に始まった介護保険制度の15年度の介護給付金は10兆円だが、団塊の世代が全て75歳以上になる25年度には約20兆円まで膨らむ見通しで、制度の効率化や負担増が避けられなくなっている。年収の高い大企業社員の保険料を増やす「総報酬割」は数年かけて導入する方向。

特殊詐欺 末端メンバーにも被害総額追徴求刑

大阪高検は、振り込め詐欺などの特殊詐欺事件で起訴された犯罪グループの末端メンバーに対し、被害総額と同じ追徴金を裁判で求刑する方針を決めた。小遣い感覚の低報酬で事件に関わる末端メンバーに「割に合わない」と思わせる新たな公判戦術で特殊詐欺の抑止を目指す全国的にも先進的な試み。高齢者を狙った還付金名目の特殊詐欺事件で、末端の連絡役や運び役に報酬額にとどまらず被害総額と同じ追徴金納付を命じた神戸地裁の今年1月に言い渡した判決が契機で、7月の大阪高裁判決も一審の「全額追徴」を支持した。

「レンタルオーナー」でトラブル

国民生活センターは9月8日、「元本保証で高利回り」などと勧誘され、業者が指定する商品を購入して所有者になり、転貸によるレンタル料を受け取る「レンタルオーナー契約」について相談が相次いでいるとして注意喚起した。トラブルになっている商品は、太陽光パネルやコンテナ、クレジットカードの決済端末機など。購入した商品は消費者の元には届かず、業者が破綻すればレンタル料も受け取れず、元本もほとんど戻らない。2012年度以降で約300件の相談があり、8割が60歳以上、損害額の平均は600万円という。

トクホ 初の取り消し

消費者庁は9月23日、「日本サプリメント」(大阪市)が販売する粉末清涼飲料「ペプチド茶」など6商品について、関与成分が表示通り含まれていないなどとして特定保健用食品(トクホ)の許可を取り消したと発表した。不適切表示が判明してから同庁に報告するまで2年以上経過していることから、悪質性が高いと判断され、許可取り消しとなった。取り消しは、1991年に制度が始まって以来初めて。商品の安全性に問題はなく、同社は17日、商品の販売を終了した。同庁はこの問題を受け、トクホの全1270製品の成分調査をやり直すよう、関係メーカーに指示した。

成年後見 促進へ議論

内閣府は9月23日、成年後見制度の利用を促すために、有識者委員会を立ち上げ、具体策の検討を始めた。大幅に増える認知症高齢者の財産管理などのトラブル続出を抑える狙いで、来年3月に基本計画を閣議決定する予定。制度は2000年度に始まったが、昨年末時点の利用者は、判断能力が不十分とみられる人の2%で、約191,000人。成年後見制度には、判断能力が衰えた後に後見人を選ぶ「法定後見」、判断能力が十分あるうちに本人が後見人を選ぶ「任意後見」がある。任意後見契約が増加し、昨年の公正証書作成件数は初めて1万件を超えた。

電動自転車のバッテリー リコール

パナソニックは9月26日、電動アシスト自転車用のバッテリーが発火する恐れがあるとして、2013年10月2日から4日にかけて製造した2788個を無償で交換(リコール)すると発表した。6~7月に東京都と広島県でそれぞれ1件ずつバッテリーが損傷する事故があったという。パナソニックが電動自転車用のバッテリーを交換するのは、昨年7月に約6万個の回収を発表して以来2回目。

スマホ回線料値下げ発表

総務省は9月27日、携帯大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)が格安スマートフォンの事業者に提供している通信回線の貸出料を引き下げる方針を正式に発表した。10月6日に設置する有識者会議で議論した上で2017年1月にも貸出料に関する省令を改正する。同省は、スマホの通信料の高止まりが家計を圧迫していると問題視しており、回線貸出料を下げることで格安スマホの通信料金が安くなり、格安スマホ事業者と携帯大手3社との間で契約者の獲得競争が加速するように誘導する。

薬用せっけん 切り替え要請

トリクロサンなど19成分を含む薬用せっけんの製造販売業者に対し、厚生労働省は9月30日、1年以内に同成分を含まない製品に切り替えるよう要請した。アメリカ食品医薬品局(FDA)が2日、同せっけんの有効性・安全性の根拠が不十分としてトリクロサンやトリクロカルバンなどを含むせっけんを1年以内に販売禁止する方針を示したことを受けた措置。国内では同成分を含むせっけんは医薬部外品として扱われ、延べ約800品目が厚労省の承認を得ていて、約40年前から販売されているが健康被害の報告はないという。

くらしのことば

特定適格消費者団体

 消費者トラブルを救済する新しい制度、消費者裁判手続特例法で、消費者に代わって被害金を取り戻す消費者被害回復裁判手続を起こすことができる消費者団体。今までの「消費者団体訴訟制度」を担ってきた全国の14の適格消費者団体の中から国が認定する。活動実績として差止請求関係業務を相当期間継続して適正に行っていること、必要な人員や物品が確保されていること、被害回復関係業務を安定的に継続的に行える財政基盤を有していること、などの厳しい認定要件がある。消費者裁判手続特例法は10月1日スタート。

 

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