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477号(12月号)Consumer’s Eye(2016.10.1~2016.10.31)

消費者裁判手続特例法施行 泣き寝入り被害救済へ

悪質商法の被害者らに代わり「特定適格消費者団体」が金銭的な被害回復を求めて訴訟を起こせるようにする消費者裁判手続特例法が10月1日に施行された。お金をだまし取られても、訴訟の費用や労力を考えて泣き寝入りしがちな被害者の一括救済を図ることを目的としている。施行日以降の事例が対象で、数十人以上の被害を想定している。提訴の権限がある特定適格消費者団体は国が認定する。同月3日、消費者機構日本(東京・千代田区)がこの制度で初めて特定適格消費者団体の認定を消費者庁に申請した。

年金・医療に新制度

10月から年金や医療などの仕組みが変わった。年金では、短時間労働者でも従業員数501人以上の大企業で週20時間以上の労働時間や年収106万円以上などの条件を満たせば、厚生年金や健康保険の加入対象になる。また、厚生年金の保険料率が10月納付分から0.354%上がって18.182%になる。医療では、B型肝炎ワクチンが定期接種となり、市区町村が原則として無料で実施。対象は、今年4月以降に生まれた0歳児。

全加工食品に原産国表示義務付けへ

消費者庁と農林水産省は10月5日、国内で製造された全ての加工食品の表示について、原則的に原料の原産国表示を義務付ける素案をまとめた。環太平洋経済連携協定(TPP)で海外の食品の流入が予想される中、表示の厳格化により消費者の不安を解消するのが狙い。製品に占める重量の割合が最も大きい原材料の原産地を表示する。新ルールが固まれば、来年にも内閣府令の食品表示基準が改正される見通し。

マイナンバー 運用から1年

国民一人ひとりに12桁の番号を割り当てるマイナンバー法の施行から10月5日で1年が経過。紙製の「通知カード」は全体の約2.8%に当たる約170万世帯に届いておらず、公的な身分証明書にもなるプラスチック製の「マイナンバーカード」の申請件数は約1143万件にとどまっている。総務省は、全国の各自治体に対応を急ぐよう呼びかけるとともに、マイナンバーカードの利便性向上の周知を図る方針。

60代のネット被害増加

60代を中心に高齢者が情報通信機器を通じたトラブルに巻き込まれるケースが増えているとして、国民生活センターが注意喚起した。身に覚えのないサービスの料金を請求されたり、通信回線や携帯電話サービスをめぐりトラブルになったりした事例が目立つ。同センターは 、積極的にインターネットを利用するシニア層の増加が背景にあると分析。60歳以上の消費者に対し、インターネットのトラブルについて、対処法などの情報収集を積極的にするよう呼びかけている。

サムスン スマホ販売中止

韓国サムスン電子は、10月11日、新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」の生産・販売を中止すると発表した。発売当初から電池が発火する事故が相次ぎ、9月から回収・交換を進めていたが、交換後の端末の発火が米国や韓国、台湾で報告された。サムスンは利用者に対して、電源を切って使用しないよう要請。米運輸省は10月14日、米国内で発着する航空機への持ち込みなどを禁止する緊急命令を発表。国土交通省も同様の措置を同月15日に指示していた中、関西空港内で同機種が発煙するトラブルがあった。同機種は日本では発売されていない。

銀行手数料 相次ぐ値上げ

金融機関で、現金自動預払機(ATM)や窓口での手数料を値上げしたり、一部有料化にしたりするなどの動きが続いている。ゆうちょ銀行は10月からATMでの自行宛て送金手数料を一部有料化、三井住友銀行は同月21日からATMの時間外引き出し手数料を預金残高にかかわらず有料(ネットバンキングを契約し条件を満たせば無料)にする。各行は有料化への理由として、「コスト全般の見直し」や「ネットバンキングへの顧客の誘導」などと説明している。

「実質0円」携帯3社を行政処分

総務省は10月7日、携帯電話大手のNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクがスマートフォン販売で行き過ぎた値引きがあったとして、電気通信事業法に基づき再発防止策の報告を求める行政処分を行った。同省が3月に策定したガイドラインに基づく行政処分は初めてで、4月の行政指導より重い措置。同省によると、大手3社は電子マネーやポイントとして使えるクーポンを送付するなどの手法で、高額の端末購入補助を行っていた。3社はいずれも「に受け止める」とコメントしている。

医療事故届け出に「統一基準」

医療死亡事故が起きた場合に、第三者機関への報告を全医療機関に義務付けた医療事故調査制度が開始して10月で1年になる。第三者機関「日本医療安全調査機構」が同月11日に公表した9月末までの届け出件数は388件で、当初見通しの3分の1以下。届け出が必要かどうかの解釈に差があり、施設側が事故として扱うことに及び腰になっているのが一因とみられる。届け出の低迷を受け、日本医師会は、同会を中心とした関係機関の協議会を年内に発足し、届け出の統一基準を作ることで積極的で迅速な報告を医療関係に促す考えを示している。

仮想通貨 非課税の方向に

財務省と金融庁は、「ビットコイン」などの仮想通貨を購入する際の消費税を2017年春にも撤廃する方向で調整に入った。今年5月に成立した改正資金決済法では、仮想通貨はプリペイドカードなどと同じ「支払い手段」と定義しており、財務省は同法に沿って非課税にする方針。与党税制調査会での議論を経て正式に決定する。非課税になると事業者の納税事務がなくなるほか、利用者が購入する際の価格が下がるなど、普及に弾みがつく可能性がある。

商法120年ぶり見直し

政府は10月18日、商法のうち運送業に関する規定を約120年ぶりに見直す改正案を閣議決定した。施行時になかった航空運送を初めて明記し、飛行機を使った物流サービスの損害賠償ルールなどを明確にする。また片仮名交じりの文語体が一部残っていた条文をすべて口語体にして読みやすくする。これで国家の基本法となる「六法」の全文が口語になる。

「荷受け代行」悪用 スマホ詐取

届けられた荷物を指定された住所に転送するだけで報酬が得られる「荷受け代行」のアルバイトを募って個人情報を入手し、勝手にスマートフォンを契約したとして、神奈川県警は10月19日、男ら3人を詐欺容疑で逮捕した。SNSなどの求人サイトで募集した500人を超えるアルバイトの身分証明書の画像を使って購入したスマホを転売し、約1億2000万円の収益を得ていたとみている。荷受け代行をめぐっては、「知らない間に携帯電話が契約されていた」などの相談が国民生活センターに昨年11月から今年9月にかけ130件以上寄せられている。

訪問販売を「やめさせる」詐欺

千葉県警は10月20日、訪問販売で困っている高齢者らを狙って戸別訪問し、「金を払えば悪徳業者に訪問販売をやめさせる」などとウソをついて金をだまし取ったとして男5人を詐欺容疑で逮捕した。県警は、被害が2009年以降、全国で約860人、計約11億5000万円に上るとみている。容疑者らは名簿業者から訪問販売の購入者リストを入手するなどして対象を選んでいたとみられる。

交流サイト 子ども被害最多889人

警察庁は10月20日、今年上半期に交流サイトを通じて性犯罪などの被害に遭った18歳未満の子どもが前年上半期より11%増加し、2008年以降で最多の889人だったと公表。サイト・アプリ別で被害者が最も多かったのは「ツイッター」で、全体の20%を占める。また、全体の86%がスマートフォンからのアクセスで、フィルタリング(閲覧制限)は利用状況が判明した子どものうち87%が使っていなかった。被害の罪種別では、淫行など青少年保護育成条例違反が348人(39%)で最多。児童ポルノが268人(30%)と続き、略取誘拐などの重要犯罪被害も21人いた。

くらしのことば

乳児用液体ミルク

 成分が母乳に近く、乳児に必要な栄養素を加えた液体状の乳製品。4月の熊本地震の際に、フィンランドからの無償提供で注目を浴びた。成分は粉ミルクと同じだが、お湯で溶かす必要がなく、封を開けてすぐ飲ませられるので育児の負担軽減や災害時での活用に有効とみられる。海外では普及しているが、粉ミルクが主流の日本では乳児用乳製品の規格は「粉末状」となっており、液体ミルクは想定されていないため、販売されていない。政府は、乳児用液体ミルクの解禁に向け検討を開始し、2017年度以降、業界団体に安全確認の試験実施を求める。必要なデータがそろえば食品衛生法に関する厚生労働省令など関連規定を改正する方針。液体ミルクの販売には、消費者庁の許可も必要。

 

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