ホーム >  協会事業 >  消費者情報 >  Consumer's Eye >  479号(3月号)Consumer’s Eye(2016.12.1~2017.1.31)

479号(3月号)Consumer’s Eye(2016.12.1~2017.1.31)

衣類の洗濯表示 国際規格に統一

衣類のタグに描かれた洗濯方法の記号が1968年以来およそ半世紀ぶりに改定され、12月1日から国際規格に統一された。記号の数は従来の22種類から41種類に増えた。新しい記号は、家庭での洗濯・漂白・乾燥・アイロン・クリーニングの5種類を基本とし、これに力の強弱を示す「一」や温度の高低を示す「・」が加わり、「手洗イ・弱・高・ドライ」といった表現はなくなった。消費者庁は「世界基準ISOと整合性を持たせることで、外国で買った衣類の取り扱いにも便利になる」としている。

組織犯罪撲滅へ 改正通信傍受法施行

犯罪捜査で行う電話や電子メールの傍受対象が拡大される改正通信傍受法の一部が12月1日施行された。数人の共謀が疑われる場合など、いくつかの要件を満たした場合に実施される通信傍受は、これまでの対象の薬物関連犯罪、銃器関連犯罪、集団密航、組織的殺人の4類型に、いずれも組織性が疑われる殺人、誘拐、詐欺、窃盗、爆発物使用などの9類型が追加された。巨額の被害が続く振り込め詐欺グループや組織化された窃盗団の実態解明、新たな犯行の防止などが期待される。

休眠預金 福祉事業に活用

金融機関に預けたまま10年以上出し入れがない「休眠預金」を民間の公益活動に使う休眠預金活用法が12月2日成立した。毎年、金融機関で発生する1000億円程度の休眠預金から、預金者の請求による払い戻し分を除いた約500億円を金融機関から預金保険機構に移し、民間のボランティア団体や非営利組織(NPO)が行う福祉や地域活性化の支援などの活動に充てる見込み。

家賃保証会社に登録制

国土交通省は2016年度中に、家賃債務保証会社(保証会社)について、任意の登録制を導入する方針を固めた。これまで、保証会社に対する法規制はなく、消費者庁には相談・苦情が09年度以降、毎年度600件超寄せられていた。今回、登録制を導入して情報開示を促し物件の借り主が安心して利用できる環境づくりを進める。保証会社は、賃貸物件の契約で連帯保証人に代わり滞納した家賃の支払いを一時的に引き受ける。借り主は契約料のほかに毎年保証料を保証会社に支払うのが主流で、保証会社が立て替えた家賃は借り主が支払う必要がある。2015年度の保証会社と借り主の契約件数は119万件、不動産の賃貸借契約の6割で利用されている。

マイナンバー法違反で初の逮捕

警視庁サイバー犯罪対策課は12月2日、上司のマイナンバー通知カードの情報を不正取得したとして、マイナンバー法違反容疑でIT関連会社元社員を逮捕した。2015年10月の施行後、同法違反容疑の逮捕は全国で初めて。同課によると、容疑者は、当時勤めていたIT関連会社の社内ネットワーク回線を通じ、上司が会社に提出するため保管していた通知カードの画像を不正取得したという。

SGマーク付き製品事故 10年で1200件

構造や表示などが安全基準を満たしていることを示す「SG(セーフグッズ)マーク」付きの製品をめぐる事故が、2016年3月までの10年間で少なくとも1259件起きていたことが、製品評価技術基盤機構(NITE)の初集計で、12月3日わかった。NITEによると、製品別で多い順にベビーカー732件、はしご・脚立136件、自転車の幼児用座席85件など。死亡事故1件、重傷179件、軽傷300件で、人身事故が全体の4割を占めた。原因の多くは誤使用や不注意によるものが目立つ。

買い物中の転落・転倒事故に注意

買い物中に子どもがショッピングカートから転落して重軽傷を負う事故が多発しているとして、国民生活センターが12月7日、注意を呼びかけた。同センターには2011年度から16年10月末までの間に6歳以下のショッピングカートでの事故情報が108件寄せられている。転落事故が6割、カートごと転倒した事故も約1割あった。年齢別では1~3歳児が全体の7割以上を占めている。また、消費者庁は、高齢者らが店舗内で転倒してけがをするケースが多発していると注意喚起した。09年9月から16年10月までに転倒事故情報が600件以上寄せられ、うち3割が骨折などの重傷。

公益通報者保護 拡大へ

勤務先の不正を通報・告発した人が不利益な扱いを受けないようにする公益通報者保護制度の見直しで、消費者庁の有識者検討会は12月9日、最終報告案をまとめた。報告案は①消費者庁に通報の一元窓口を設ける②労働者に限定している保護対象を退職者や役員まで広げるよう促す③通報を理由に不利益な扱いをした違反事業者に行政機関が是正を勧告、従わなければ公表する制度の検討④通報者が勤務先と紛争になった場合に行政機関があっせん、調停、指導する制度の導入など――。

水素水の表示改善を要請

国民生活センターは12月15日、容器入りおよび生成器で作る飲用の「水素水」について、一部商品については健康増進法などに抵触するおそれがあると発表した。食品で健康効果を表示できるのは健康増進法などに基づき、特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、栄養機能食品に限られている。これまで水素水で許可や届出はなかったが、同センターが通信販売サイトの上位表示の計19商品を調査したところ、12商品で水素水に健康効果があると受け取れる記載があった。同センターは、業者に表示の改善を求め、消費者庁にも業者への指導を要請した。

国民生活センター、2016年の10大項目を発表

消費者から寄せられた相談や消費者行政の動きをもとに12月15日、国民生活センターが2016年の10大項目を発表した。
 ①情報通信関連の相談が多数 高齢者からの相談内容にも変化が
 ②大規模な自然災害が多発 給湯器の貯湯タンクが転倒する事故も
 ③電力小売の全面自由化がスタート 便乗商法の相談が寄せられる
 ④インターネットを利用した詐欺的商法 怪しい投資話も後を絶たず
 ⑤消費生活に関わる重要な法律が次々と改正
 ⑥消費者裁判手続特例法がスタート 消費者の新たな被害救済制度として期待
 ⑦成年年齢引き下げに関する議論が加速 18歳~19歳の消費者をどう守るか
 ⑧自動車メーカーの燃費データ不正発覚など 消費者の不信感が強まる
 ⑨食品の表示制度について議論が始まる
 ⑩絶えず起こる子どもの事故 事故防止に向けてさらなる取り組みの動き

磁気治療器の販売で業務停止命令

磁石の入ったベストなどの「家庭用磁気治療器」の預託商法を展開する「ジャパンライフ」(東京都)が契約書面を適切に記載しなかったなどとして、消費者庁は12月16日、同社に対し特定商品預託法や特定商取引法に基づき、一部の業務停止3カ月を命じた。同社は、「高齢者に健康と活動力を与える必需品」と磁気治療器を訪問販売等で販売し、別の顧客にレンタルすれば年6%の収入が得られるとする商法を展開。同社をめぐる消費者相談は2016年11月までの2年半に約400件寄せられており、高齢者が大半を占め、平均支払額は約1700万円。同社は処分を不服として提訴のかまえ。

2万人に給付型奨学金導入

政府は12月19日、2018年度から大学や短大などへの進学者ら1学年当たり約2万人に、返還不要の給付型奨学金制度を導入すると発表した。対象は、住民税非課税世帯で各高校が推薦する。給付月額は国公立大(自宅生)2万円、国公立大(下宿生)・私立大(自宅生)3万円、私立大(下宿生)4万円で、児童養護施設の出身者には入学時の一時金として24万円を別途支給。17年度には児童養護施設の出身者など計約2650人を先行実施する。

犯罪悪用の固定電話番号解約

NTTコミュニケーションズは12月19日、振り込め詐欺などの犯罪に使われたとされる東京都内の業者に卸していたうち、約5900の固定電話の番号について、回線契約を同月9日付で解約したと明らかにした。電気通信事業法では、「正当な理由」がなければ通信サービスの提供を拒むことができないとされているが、同社は、今回の解約理由として「特殊詐欺への悪用」を業者に示す一方で、総務省の解釈に沿う「通信障害の恐れ」も加えた。大手通信事業者がこうした回線の大量解約に踏み切ったのは初めて。現在、特殊詐欺に使われる電話の7割は固定電話で、今回の解約分はその半分にあたるとみられる。

「神戸牛3割引」おとり広告

実際には仕入れていない神戸牛を3割引きで販売すると広告を出したのは景品表示法違反(おとり広告)に当たるとして、消費者庁は12月21日、広告を発行した総合スーパー「イズミヤ」(大阪市)とテナントの食肉販売会社「牛肉商但馬屋」(兵庫県姫路市)に再発防止を求める措置命令を出した。調査した公正取引委員会によると、違反の対象はイズミヤが発行した2016年2月13日付の新聞折り込みチラシ(約68万枚発行)。

特定適格消費者団体初認定

悪質商法の被害者らに代わり、金銭的な被害回復を求めて訴訟を起こすことができる「特定適格消費者団体」に、消費者機構日本(東京都)を認定したと消費者庁が12月27日発表した。2016年10月1日に始まったこの制度で認定は初めて。

市販薬購入でも減税

医師の処方が必要な医療用医薬品から転用された特定の有効成分を含む「スイッチOTC薬」の購入費が、家族で年間12,000円を超えた部分を最大88,000円まで課税所得から差し引く医療費控除の特例制度「セルフメディケーション税制」が2017年1月からスタート。1月1日~12月31日まで、対象薬(16年12月末時点で1555品目)購入のレシートなどを保存し、翌年に確定申告する。年間の医療費が原則10万円を超えた時に適用される従来の医療費控除の仕組みもそのまま残るが、今回の特例制度と併用できない。21年12月末までの時限措置。

特殊詐欺情報 スマホで速報

大阪府警は、大阪府内で発生した特殊詐欺の被害に対し、ヤフーの無料アプリ「Yahoo!防災速報」を通じて被害の状況をスマートフォンなどにリアルタイム配信する取り組みを1月10日から始めた。府内では、昨年、特殊詐欺の被害が初めて50億円を超えた。府警は、同アプリを使い特殊詐欺の被害情報を覚知直後に流す全国で初の試みで被害を未然に防ぎたい考え。

肝炎治療薬の偽造品、全国流通か

C型肝炎治療の飲み薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が奈良県内の薬局チェーン店で見つかったと厚生労働省が1月17日発表した。偽造品が入ったボトルは正規品で、流通過程で中身がすり替えられていたとみられる。また同月23日には、東京都内でも新たにボトル9本の偽造品が見つかった。偽造品の成分は調査中だが、患者の服用や健康被害の報告は確認されていないという。同省は同月25日、外箱のない状態での譲り受けを控えるよう求める通知を各都道府県に出した。事案の概要、真正品の見分け方等については、製造販売元のギリアド・サイエンシズのホームページに掲載。

広告も差し止め対象 最高裁が初判断

新聞の折り込みチラシなど不特定多数に向けた広告が、消費者契約法の規制対象となる「勧誘」にあたるかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷は1月24日、「契約締結の勧誘にあたる場合がある」とする初めての判断を示した。訴訟では、京都市の消費者団体が健康食品販売会社「サン・クロレラ販売」(京都市)が医薬品と誤認させる宣伝をしたとして、チラシの差し止めを求めていた。

改正景品表示法違反で初の課徴金命令

三菱自動車の燃費不正問題で、カタログやウェブサイトの表示で燃費を水増しし、消費者に誤解させたとして、消費者庁は1月27日、三菱自に景品表示法違反(優良誤認)で約4億8000万円の課徴金納付を命じた。景品表示法の課徴金は、消費者をだますような表示をした事業者に売上額の3%を納めさせる制度で、同法違反での課徴金命令は2016年4月の制度開始以来初めて。同庁はまた、三菱自と三菱自から車の供給を受けて販売していた日産自動車に対し、同法違反で再発防止などを求める措置命令も出した。

エンゲル係数29年ぶり高水準

総務省の家計調査(2人以上の世帯)によると、家計支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は、2016年1~11月の平均値で25.7%となっており、1987年以来、29年ぶりの高水準で推移。従来、エンゲル係数の数値が高いほど消費者の生活が苦しいとされてきたが、今は、調理の負担軽減や安全・安心への関心を満たすために積極的に食に支出する傾向が高まっているためとみられている。

くらしのことば

統合型リゾート(IR)整備推進法(カジノ解禁法)

 IRとは、Integrated Resortの略で、カジノ、国際会議場、宿泊施設など統合型リゾートの整備を推進するための基本法。衆院本会議で12月15日成立。施行後1年以内をめどに、規制基準や必要な対策を盛り込んだ実施法案の策定を政府に義務づけ、政府は首相を本部長とする推進本部を設置する。同法をめぐっては、観光振興や雇用拡大に期待する自治体がある一方で、専門家から地域活性化効果を疑問視する声もでている。また、ギャンブル依存症の増加や治安悪化、マネーロンダリング(資金洗浄)といった懸念が払しょくされていない。

 

Copyright(c) 2013 The Society for the consumers of Kansai All Rights Reserved.