FAQ〜消費生活のための「よくある質問と回答」集〜

住生活

前のFAQ  住生活  次のFAQ


Q
0501
賃貸住宅を退去する際、敷金を返してもらえると思っていたのに「壁や床が汚れている」と言われ、敷金が返ってこないばかりか、さらに修理費を請求された。納得がいかない。
A

改正「民法」(令和2(2020)年4月施行)で、敷金や原状回復(元の状態に戻す)義務についてのルールが条文に記されています。

賃貸借の契約が終了した場合には、契約書などに特段の定めがない限り、借主は、賃借物を原状(元の状態)に戻して貸主に返還しなければなりません。しかし、通常損耗(通常の賃貸借の利用をして生じた消耗)や経年劣化については、原状回復義務がありません。

〇通常損耗や経年劣化の例
家具の設置による床・カーペットのへこみ、テレビ、冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(いわゆる電気ヤケ)、地震で破損したガラス、鍵の取替え(破損、鍵紛失のない場合)、日照などの自然現象によるクロスの変色、壁の画鋲・ピンの穴  など
〇通常損耗や経年劣化に当たらない例
引っ越し作業で生じたひっかきキズ、日常の不適切な手入れ、設備などの壊れ(毀損きそん)、たばこのヤニ・臭い、ペットによる柱等のキズ  など

また、敷金とは、賃貸借契約に基づいて、借主(借りた者)に支払い義務が生じる金銭債務(例:賃料や原状回復費用)を保証するために、賃貸住宅の借主が貸主(貸した者)に預けておく金銭のことです。賃貸借の契約が終了して住宅が返された時点で、貸主は未払いの賃料や原状回復費用などの債務の支払い分を差し引いた残額を、借主に返さなければなりません。家賃を滞納していたり、たばこのヤニや焼け焦げ、ペットによる傷や臭いなどによって壁や床が汚れたりしている場合、敷金を返してもらえない可能性があり、修理代を支払わなければならないこともあります。

なお、貸主が上記のような基本原則に従わず借主に不利となる原状回復義務を特約(特別の条件をつけた約束)として定めることは可能ですが、その場合、
@その特約の必要性と合理的な理由があること
A借主が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについてわかっていること
B借主が特約による義務負担の意思があることを伝えていること
の3つの条件を満たしていなければ、消費者に一方的に不利な条項として、「消費者契約法」により無効となる場合もあります。

貸主側との話し合いによる解決が難しい場合、民事調停や、一般的な通常の訴訟と比べて手続きが簡略化されている少額訴訟などの手続きもあります。困ったときは、消費生活センターや法律相談などで専門家に相談してください。

〇大阪府住宅相談室 06−6944−8269
〇大阪市立住まい情報センター 06−6242−1177

   

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について(国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)(国土交通省
http://www.mlit.go.jp/common/001016469.pdf

II アパート・マンション等の賃貸借に関するもの【その1 原状回復、敷金の返還、修繕をめぐるトラブル】(一般財団法人 不動産適正取引推進機構
http://www.retio.or.jp/info/qa9.html

賃貸住宅の原状回復トラブルを防止するために(大阪府
https://www.pref.osaka.lg.jp/jumachi/genzyo/index.html